今回紹介する記事は出生前診断についてです。
出生前診断を受けずにダウン症の子を産んだ体験談と産まれた後に感じたことを紹介しています。
必要か不必要かどちらか一方をおすすめするものではないことをご理解ください。
記事を読むことで出生前診断についてよく検討して、ご自身が納得した良い状態で出産に望んでもらえると嬉しいです。
【出生前診断は受けないと決めていた】
妊娠中は出生前診断は受けないと決めていたというか、全く必要ないと思っていました。
健康な子供が生まれるから大丈夫とたかをくくっていた訳ではありません。
自分の年齢からもかなりの高リスクだと自覚はありました。
【出生前診断を受けなかった理由1】
子供が欲しいと思いはじめた時がすでに30代半ばだったのですが、
妊活を始めるもなかなか恵まれず、あきらめかけていた時の妊娠だったので
(妊娠当時の気持ち→)最初で最後かもしれないから何があっても必ず産む!という思いでした。
【出生前診断を受けなかった理由2】
妊娠が発覚したのち、スムーズに妊婦検診がはじまりました。
初めに行われるリスク度チェックシートでは、母親の年齢のところで
高得点をたたき出し結果はもちろん高リスク。でも驚くこともなく、
(妊娠当時の気持ち→)あぁ、やっぱり そうなるよなぁと、かる〜く思う程度でした。
【出生前診断を受けなかった理由3】
家庭環境の影響がおおきく関わっていました。
実父は余命をかけてとても長い期間にわたり闘病生活を送っていました。
大きな手術により障害者となりましたが、その後1ヶ月の余命宣告からなんと20年以上もすごしたのです。
そんな経験から障害者であっても家族の一員として楽しく過ごせるという自信と、
(妊娠当時の気持ち→)万が一障害があっても命があれば大丈夫!という思いがありました。
【緊急で帝王切開!産まれた子供はダウン症】
特に問題もなく妊婦生活を過ごしていましたが、
8ヶ月目頃に胎児の命に関わる異常が見つかってしまったので、
緊急での帝王切開となりました。
そして産まれた子は既に合併症を発症していたダウン症だったのです。
子供の健康状態について説明してくれたお医者さんはとても優しい口調だったということもあり、
パニックになる事もなく意外と冷静に聞き入っていました。
とは言え、ベットの上で1人で突きつけられた現実を回想していると、
さっきまで冷静だったはずが頭の中で色々なことがすごい早さでぐるぐると駆け巡っていました。
お医者さんの説明の時、冷静でいられたのではなく、人ごとのように心ここにあらずの状態で
話を聞いていたんだと思います。
自分のことだと自覚して、色々な事が頭の中で動き出した時には
ダウン症? 自分の子供が? 他の赤ちゃんと間違い? 診断ミス?
自分の子供を家族や友達にダウン症です、って紹介するの?
妊娠中には出生前診断を受けないと自分で決めてどんな子供が産まれても大丈夫と
思っていた自分が、子供が産まれて幸せいっぱいのはずの時に
こんなにもの沢山のネガティブなことを考えていました。
【出生前診断の目的を理解しておくことが大切】
出生前診断について調べると目的が明確かつ分かりやすく説明されています。
引用元:https://niptjapan.com/prenatal-diagnosis/
出生前診断の目的は、生まれる前に赤ちゃん(胎児)の状態を観察・検査し、胎児に治療や投薬を行ったり、また出生後の赤ちゃんの治療の準備をしたりすること、そしてお母さんの健康管理を行うことです。そして、出生前診断で得られた胎児についての情報をご夫婦に提供することも出生前診断の目的の一つです。「胎児についての情報を知ること」により、その赤ちゃん(胎児)が重篤な病気や奇形をもっているのか、あるいはもっていないのかを知ることになります。出生前に胎児の状態や疾患等の有無を調べておくことによって、生まれてくる赤ちゃんの状態に合わせた最適な分娩方法や療育環境を検討するために、出生前診断が行われています。
出産に向けてベビー用品を準備するのと同じように胎児の健康状態を診断してもらい
生活環境も準備しておく為にはとても重要な情報になります。
【経験したからこそ、いま思うこと】
どんな子供が産まれても受け入れるからと出生前診断は受けなかったのですが、
実際にダウン症だと分かった時は、自覚するまで時間がかかり、わが子に対して
沢山のネガティブな思いを頭に巡らせていました。
今ではもちろんわが子に対して産まれてきてくれた事への感謝と愛情しかないので、
出生前診断をうけていたら、こんな気持ちにならなくて済んだのかな?と思います。
【まとめ】
出生前診断は胎児の障害などの健康状態を事前に知っておくことができるので、
出産直後にすぐ授乳等の育児が始まるお母さんの体調やメンタルの負担を考えると、
とても有効な検査です。
一方でストレスなく過ごす妊娠生活が理想とされるはずが、
出生前診断により、万が一胎児に異常がみつかりお母さんの精神状態が
不安定になってしまう事も少なからずあります。
出生前診断を受けるか悩んだとき、本来の目的をしっかり理解することでお母さんと産まれてくる赤ちゃんにとって良い方を選択することが大切です。